ごあいさつ

実績

虚血部門

 

福岡大学筑紫病院 循環器内科は2020年4月に新体制へ移行しました。
以後、虚血性心疾患に対するカーテル検査・治療(PCI)数は大幅に増加しました。

 

虚血性心疾患疑いにて近隣のクリニック・病院からご紹介頂く機会が増え、外来で施行する冠動脈CT数が大幅に増加しました。

 

症状が安定していて待機的な心臓カテーテル治療が可能な場合は、外来で冠動脈CT等のスクリーニングを終え、治療戦略を明確にした上で入院となる事が多い為、平均3-4日の短期入院での加療が行えています。

 

また、待機的な心臓カテーテル治療症例に加え、急性心筋梗塞を含む急性冠動脈症候群の緊急搬入数も以前と比して増加傾向にあります。

 

 

2019 2020  2021  2022  2023  2024年
冠動脈造影(CAG)検査総数 478 405 439 559 531 515
冠動脈造影(CAG)のみ 375 312 304 333 271 232
PCI(急性心筋梗塞) 103(10) 93(11) 135(13) 226(58) 260(48) 283(43)
末梢血管治療 8 17 16 12 14 14

 

2020年以降(2024 年3月解析可能分まで)、当院での急性心筋梗塞のカテーテル治療症例(全118症例)の院内転帰は手技成功率 96.6%、院内死亡率 1.7%でした。

 

また狭心症、無症候性心筋虚血を含めた合計の中期的治療成績(全634症例:2024年3月解析可能分まで)は、標的病変再血行再建(Taget Lesion revacularization)率は6.9%、新規の心筋梗塞の発症は1.1%、ステント加療後の血栓症は0.6%と良好であり、加療後1年間の追跡期間中の総死亡(腫瘍死や肺炎等の心血管死以外も含む)は9名:1.4%でした。

 

心筋梗塞の院内転帰(2020年以降~2024年3月解析可能分まで)
N=118
院内死亡 1.7%
手技成功率 96.6%

 

 

心臓カテーテル治療後の中期的臨床成績(2020年以降~2024年3月解析可能分まで)
N=634
心筋梗塞 1.1%
標的病変再血行再建(TLR-PCI・CABG 6.9%
PCI後follow up期間中の総死亡率 1.4%
ステント血栓症 0.6%

 

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2020年以降の当院のPCI施行症例の診断内訳は、労作性狭心症を含めた待機症例が70%、急性冠症候群の症例が30%でした。

 

以前と比して急性冠症候群の症例が増加傾向にあります。

 

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不整脈・デバイス部門

 

2024年度は新規植え込み 20例、電池交換術 11例、リードレスペースメーカーの挿入を12件行いましたが、手術に際して大きな合併症は発生しておりません。

 

ペースメーカー植え込み後は、当院のペースメーカー外来にて半年に1回のチェックを行い経過のフォローアップを致しております。

 

ペースメーカー植え込み件数の推移
新規植え込み件数(リードレスペースメーカー) 電池交換
2019年度 34 16
2020年度 21 16
2021年度 29 16
2022年度 37 17
2023年度 24(5) 12
2024年度 32(12) 11

 

発作性上室頻拍や心房粗動に対するカテーテルアブレーション治療に加え、2023年6月から心房細動、難治性心室期外収縮に関してもカテーテルアブレーション治療を開始しました。

 

現在体制を整えつつ治療数を増やしています。今年度は更に治療件数を増やせる見込みです。

 

アブレーション治療件数
2023年度 7
2024年度 20

 

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心不全部門

 

社会の高齢化や生活習慣病に伴う虚血性心疾患の増加に伴い心不全患者が急増しています。

 

感染症患者の爆発的な広がりに例えて最近では「心不全パンデミック」とも呼ばれています。心不全の原因は様々ですが、多くの場合で一度発症するとその後は一生涯において付き合っていく病気となります。

 

当院では重症心不全患者の入院加療を担っておりますが、退院後も通院や外来での加療や検査、心臓リハビリテーション、そして地域の先生方や病院と連携し再増悪を予防する事が重要となってきます。

 

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福岡大学筑紫病院 循環器内科 総入院患者数と心不全加療目的入院の割合
総入院数(心不全) 心不全加療目的入院の割合(%)
2019年度 739(113) 15.3
2020年度 581(113) 19.4
2021年度 742(146) 19.6
2022年度 741(118) 15.9
2023年度 768(142) 18.5
2024年度 812(92) 11.3

 

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